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updated 2022-04-07
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アダルトチルドレンについて


ダルトチルドレン(Adult Children of Alcoholics)ACという言葉は元々医学発祥ではなく、1970年代アメリカの福祉現場で働く、ケースワーカー達がその経験や知識をもとに考え出された言葉です。元々アルコール依存症の親のもとで成長した大人という意味で使われていましたが、現在ではアルコール依存症の親だけでなく、広義に機能不全家族(子供の成長にとって好ましくない家族)の中で様々な意味で親に一人の子供として、そして一人の人間として尊重され、見守られながら育てられる機会に恵まれなかった子供時代を過ごして成長した人達の総称、言葉、概念として使われています。



アダルトチルドレンについての目安

アダルトチルドレンについては、どうしても言葉が先行的になり、どういったものなのかよくわからないことが沢山あると思います。ある程度のアダルトチルドレンの目安として、以下の3項目(自己同一性、基本的な欲求、社交性で)考えて頂ければと思います。あくまでもこれは目安ですが、以下の各項目にそれぞれ思い当たる節が多ければ、それだけアダルトチルドレンという概念に近い傾向にあると言われています。
 
A.自己同一性について
 
1.何か新しいことを考えるとき、行動するときなどに常時、恐怖感や不安感を覚える。

2.反抗的で、葛藤しているときは活動的になる。

3.男らしくない女らしくないと自分で感じる。

4.人を喜ばすタイプで自分の意見や気持を無視して、自分というものがない。

5.性的なアイデンティティに迷いがある。

6.罪悪感を感じて自己を主張できない、相手に妥協する。

7.何かを始めたり、何かを仕上げるのに迷いがあり時間がかかる。

8.すべて人よりも勝っていないと気が済まない。

9.人生はむなしく、どうも楽しくない、よく抑うつ感を感じる。 

10.自分が何を考えているのかわからない、自分は無価値であると感じる。

11.常に何をしても失敗ばかりしていると感じる。

12.自分はどこかおかしいと何となくだが、違和感や嫌悪感をよく感じる。

13.自分は何が欲しくて、何がいらないのかよくわからない。

14.いつも自分は駄目だ、どうせ駄目などと自己批判することが多い。

15.自分が何者かでよく悩む。


B.基本的な欲求について


1.人に触られたりするのがどうも苦手である。

2.本意でないセックスをしたり、極端なサド、マゾ、あるいは特殊な性的な欲求に極端にこだわる。

3.夜寝れない。変な時間に起きてしまう等の睡眠障害がある。


4.食事と性行為は人生の中で何よりも重要なことである。

5.ポーカーフェイスで、感情を表に出すのが苦手、あるいは出したことがない。

6.人前で悲しんだり、怖がったり、涙を見せるのは恥ずかしいことだと思う。

7.自分の体の容姿、肉体的な機能に常にコンプレックスがあり恥ずかしいと思う。

8.めったに怒らないが、一端怒りだすと止まらなくなる、感情をコントロールするのが難しい。

9.他人が怒ったり、トラブルを避けるため、自分の本音を隠すことが多々ある。


10.自分は物欲が極端に多いと良く感じる。または、倹約することに極端な快感を感じる。

11.過去または現在、拒食、過食になったことがある。

12.空腹、疲れ、性欲をいつ感じるかわからない。


13.自分を消してしまいたいと思う事がある。

14.時間の感覚があまり感じられない。

15.言葉に出してうまく表現しながら話すことが苦手だ。


C.社交性について
 

1.一人になるのが怖いので、できるだけ一人にならないようにする。

2.自分を含めて、他人を心のどこかで信用していない。

3.以前、または現在、何らかの依存の人と結婚している。あるいは恋愛関係にある。

4.争いを避けるためには自分の出来ることを何でも過度にしてしまうことが多い。

5.他人の意見が自分の意見と食い違ってもすぐに無駄だとあきらめてしまう事が多い。

6.他人との争い事やトラブルをどうやって解決していいのかが良く分らない。


7.他人の意見から物事や結果を0か100で判断していることが多い。

8.愛情と同情の区別が分からない、そのため、同情した相手を恋愛対象としてみることが多々ある。

9.人の意見に反対したことがなく、その意見が命令のように感じながらも受け入れる。

10.自分より他人のことを最優先に考える方が楽な感じがする。

11.人に頼まれたら、直接的には断らないが、結果的に様々な形で間接的に、消極的に拒否している。

12.自分の失敗であれ、他人の失敗であれ、そのことに対して、からかったり、ふざけたくなる。

13.何々しなくてはならない、どうせ何々など、人と話すとき口癖のように出る。



14.自分は見捨てられるかもしれないと、常に脅え、あらゆる手段を使いその関係を維持しようとする。

15.周りに無視されていると常に感じる。


思い当たる節のある方はこちらをご覧ください。LinkIcon思い当たる節のある皆さんへLinkIconカウンセリングの流れについて


アダルトチルドレンはまた、過去の世代までさかのぼり、世代間で何らかの形の症状として代々引き継がれる問題とも言われています。 何らかの形でアダルトチルドレンの傾向の家族のその前の世代の家族もまた、アダルトチルドレンの傾向であることがあります。(家族で、アルコール依存の人がいる家族はその前の世代もアルコール依存の人がいる等)

現代社会では家族システム的な視点からその本人の家族の過去の世代までさかのぼり、世代間で何らかの形で代々引き継がれる問題として、アダルトチルドレンという概念を見つめていく必要があります。父親、母親が働く環境、子供の教育環境、家族としての形態、少子化などの変化、また、経済的な変化に伴う物理的な様々な人々の価値観の変化などに伴い、日々、人々の精神的な価値観もその周りの環境の変化に合わせ、少なからず影響されることになります。その日々の様々な変化に従い、ここ数年で改めて、アダルトチルドレンと言われるものがクローズアップされ、近年表面化してきたものなのだと考えます。

 
現在、日本の精神医学界ではアダルトチルドレンは様々な精神病的な各症状とは一線を置く形で曖昧なものとされています。学術的な発祥ではない言葉であるのもまた一因なのでしょう。様々な価値観の変化の中で次第にこの概念に当てはまる問題が生活の中で表面化してきても、当たり前のように繰り返されるこれら上にあげた各項目に当てはまると感じている人々を生む環境は現代社会の中に例えば、職場、学校、近所、家庭、親戚、友達など様々な形で当たり前のように溶け込んでいます。これは精神医学界の視点からでは病的な問題ではないと言うことになります。


例えば親に殴られた経験ある方沢山いらっしゃると思います。親が離婚している方もいらっしゃるでしょう。家業を仕方なく継いだ人、経済的な理由で別の道に行く人、会社の人間関係、上司には逆らいたいが生活もあり従うしかない。文句は言えない。ストレスを貯め込む。体調を崩す。これらのありふれた日常の中にこそ、アダルトチルドレンの要因が隠されています。 つまり、アダルトチルドレンという概念というべきものは存在しても、それでも私たちの世界は機能して回り続けていて、精神医学界の視点からみると、これは病的な問題ではないということになります。

「何事もほどほどが良い」という言葉があります。私はまさにこれにつきると考えます。このほどほどという感覚で生きていくことが、現代社会ではあまりにも難しく、成果や結果がが直接的なその人の評価を生む現代の風潮、0か100かのデジタルな価値観の蔓延こそが、アダルトチルドレンの最たる要因ではないのか?」と、クライアントの皆さんのお話を伺いながら感じます。
少なくとも10歳くらいまでの子供時代を子供らしく、一人の人間として、見守られ、尊重されながら育てられてこなかった方、0か100のデジタルな価値観の中で例えばこんな経験をお持ちの方々。例えば、


家族での会話が少なく、生活時間がバラバラで、親にも甘えたくても甘えられなかった人。
 
アルコール依存の両親に育てられ、親の面倒を見て、さらにお酒で酔った親による体罰や虐待、あるいはその酔った姿を見ながら無力さを感じながら両親と一緒に生活してきたと思う人。
 
親から性的な虐待、あらゆる暴力を受けた人。
例えば音楽をやりたかったが、結果的に「音楽では生活ができない。将来大変になるから勉強しなさい。」といった親の価値観に従い、自分の気持ちを心の奥底にしまいこんだまま勉強をひたすら頑張ってきた等の大抵の物事を親の言う通りにしてきた人。
 
学校でいじめにあってそれを親にも家族にも話せなかった人。
 
極端に勉強をさせられたり、友達と遊ぶ時間も取れなかった人。
 
幼い頃鍵っ子で両親は二人とも共働きで、さみしくても我慢して一人で食べていた人。
 
その他にも例は無数に考えられますが、これら機能不全家族と呼ばれる環境の元で育てられた子供に共通な事は子供であるが故、親に精神的、肉体的、心理的、人間的、社会的、環境的、物理的など様々な要因で、親に従わざる負えない環境で育つことになります。
 このような生育過程を経験した人々は心の底から喜怒哀楽を表現したり、五感で感じる様々な体験、甘えること、見守られている実感、尊重されている実感を得るために必要な親との双方向のコミュニケーション関係が困難であった為に親の価値観を一方的に心に刷り込み続け、精神的あるいは肉体的に様々な形で結果的に親に無視されながら子供時代を過ごしてきた人ということが言えるでしょう。

 
この様な子供時代を過ごした経験をお持ちの方はこのページをご覧になり、上にリストアップした自己同一性、基本的な欲求、社交性の各項目に思い当たる節があるのではないでしょうか?
 
 しかし、現代の社会背景から考えて、お子さんの価値観をすんなりとは、安全性、将来性、様々な事が要因となり、すぐには認められないお父さんお母さんも沢山いらっしゃるでしょう。これは無理もないことでしょう。 そして、そのことを考える余裕も精神的にも肉体的にも難しい職場環境のお父さんお母さん。そして、現代社会が学歴や職歴、経歴、肩書きなど様々なものを重要視して動いている以上、塾にも行かざる負えない風潮、これも無理のないことだと思うのです。だからこそ先程も言った



「何事もほどほどがいい」


この感覚をこれをお読みの保護者の方をはじめ各教育機関の方、またはそれに付随する方々の皆さんにも生活の中で取り入れて頂けたらと切に願います。

上で挙げさせて頂いた子供時代の過ごし方の例やアダルトチルドレン傾向に
あるとする上の各項目はあくまでも目安であり、現実的にそのような環境でも頑張って柔軟にお子さんを見守り、愛を注いで立派に育ててらっしゃる方々も、そしてこのような環境でも工夫して、ご自分で解決し柔軟に立派に社会生活を送られてる方も沢山いらっしゃいます。すべてがすべてアダルトチルドレンという概念が原因ということではないということだけはご理解頂きたいと思います
 
アダルトチルドレンという言葉はあくまで日常的な生活から自然発生的に定着してきた言葉、概念であり、医学的な症状ではないということだけは重ねてお伝えさせて頂きます。
 
以上をお読みになり、思い当たる節のある方はこちらをお読みください。

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